前回、子どもの望ましくない行動を指摘するだけでなく、
望ましい行動のやり方を教えて子どもに自信をつけさせることをお薦めしました。
しかし、望ましい行動の方法を知っていてもなお、
望ましくない行動を続けるケースがあります。
子どもには、「注目を得る(得たい)」という究極の目的があります。
子どもが小さければ小さいほど、自信がなければないほど、
親の庇護(関心)を得ずには生きられないからです。
ですから、注目を得たいという目的は、生存するための本能なのかもしれません。
そこで、一般的には、親の期待に叶う理想的な行動をすれば、注目を得られます。
しかし、親の期待が大きすぎると子どもは、
「正当な方法では、注目を得ることができない」
と、さらに自信をなくしてしまうのです。
そこで、親の期待に沿う行動を諦めるのです。
ところが、子どもの戦略はこれで終わるわけではありません。
それでも、本能が注目を得ようとします。
無視をされれば、生きていけないかもしれない、と感じるからです。
そこで、子どもは、親の注目を別の方法で得ることができないかと考えるのです。
それが、親の注意や批判、さらには怒りまで買うという方法です。
これによって、子どもは、
「親のネガティブなアプローチを受けることで、親の関心を得る」
という目的を達成できるのです。
この方法を学んでしまった子どもは、やがて、
いつでも親からネガティブなアプローチが得られるような行動を続けてしまうのです。
こちらの注目を得ることの方が容易い、と感じるからです。
期待する行動ではない!と親が感じ、その点ばかりを指摘しているとしたら、
子どもに、その行動を定着させてしまっているのかもしれません。
そんな可能性に心当りを感じたのなら、まず最初にすることは、
「望ましくない行動に対する注目を減らすこと」
「望ましい行動に今まで以上に注目すること」
です。
簡単に言えば、
望ましくない行動にはできるだけ口数を減らし、望ましい行動には口数を増やす ということです。
子どもの性格や態度は、
おとうさん、おかあさんのアプローチの影響が大きいのです。
メールマガジン【子どものやる気を引き出す!親のアプローチ】より
作者:井上郁夫(心理カウンセラー・学習スタジオクロスロード講師)
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