2014年11月25日火曜日

☆ 困った行動に困ったら ☆ @仲町台の個別指導


先日、ある町のPTAで子育てに関する講演の講師に招かれました。

アンケートの中で、現在の子育てに関する悩みについて多く記入されたのが、
「自分の部屋にテレビがあるので、ズーとテレビを見ていて困る」、
「スマホやタブレットに夢中で困る」、「ゲームばかりやって困る」と言ったものでした。


既に買い与えてしまった以上、買わなければ良かったと悔やんでみても

仕方がありません。そこで、どうしたら良いのか考えてみましょう。



まず、子どもが、ゲームなどを終えて時を見計らってから、

話し合いに持ち込むのがいいでしょう。




母:「あなたは、ゲームをやっている時間が長すぎると思うのよ」


子:「そんなに、長くはやっていないけれど・・・」




母:「そうかしら、毎回2時間ぐらいゲームやっているけど、
    勉強をやる時間は30分もないと思うけど・・・」


子:「それくらい普通だよ」




母:「あなた達の間では、普通かもしれないけど、お母さんとしては、
   ゲームをやり過ぎだと思うのよ。せめて、ゲームの時間と同じくらいは、
   勉強してほしいんだけれど・・・」


子:「だって、ゲームは面白いけど、勉強は全然おもしろくないもん」




母:「確かに、勉強はゲームほど面白くないかもしれないけれど、
   あなたは勉強するのが仕事みたいなものでしょ。
   勉強をしっかりやって、気晴らしにゲームをするのはお母さんもわかるけど、
   ゲームの合間に勉強はいただけないわ。
   これから、勉強の時間とゲームの時間をお母さんと決めましょう。」



子:「どうせゲームの時間をなくすんでしょ」




母:「ゲームの時間と同じくらい勉強するなら減らさなくてもいいわ」


子:「本当!?」




母:「宿題を丁寧にやって、漢字や計算の練習をちゃんとやればね」


子:「わかったよ。ちゃんとやるよ」




母:「宿題や勉強が終わったら、何をやったかお母さんに見せてOK
   だったら、ゲームをやっていいわ」


子:「お母さんのOKがでなかったら・・・?」




母:「その時は、OKが出るまでゲームはお預けよ」


子:「それは、ずるいよ!だって、いつまでも勉強させるためにOK
   ださないかもしれないじゃん」




母:「お母さん。嫌がらせをするつもりはないわ。
   やる時はしっかりやって、それが終わったら、存分にゲームを楽しんで欲しいわ」


子:「本当!?」




母:「本当よ!ただし、約束したからには、あなたが約束を破ったら、
   ゲームは、二度とできなくなるわよ」


子:「わかったよ」






このように、子どもの気持ちに共感しながら、

Iメッセージ(お母さんは~と思う、感じるという言い方)で、

冷静に会話をして、子どもと約束をしましょう。



そして、もし、子どもが約束を破る様な事があれば、

「残念ね!」とだけ言って、普通の表情(否定的な感情のこもった顔をしない)で、

ゲームを片付けてしまいましょう。


子どもが何と言い訳をしても、われ関せずの態度で接することです。



ゲームをしている子どもに、注意をする。

子どもは、親の言うことをきかない。

その結果、言い争いをして、子どもがゲームを続けている



ということを繰り返す図式は、

意識している、いないにかかわらず、

親子が互いに悪ふざけをしているようなもので、

いつも同じような気まずい雰囲気で終わるはずです。

この悪ふざけを断ち切らないかぎり、結果は変わりません。




もし、困った子どもの行動を見て、親が気持ちの中で、

「仕方がないわね」という言葉がわくようであれば、

その場は何も言わずにやらせておくことも一つの手です。

さもないと、親子の悪ふざけに突入してしまう恐れがあるからです。



子どもに、注意をする前に、

「本当に行動を変えさせたいのか、

   親としての立場を守りたいだけなのか」

問うてみるのも大切です。




メールマガジン【子どものやる気を引き出す!親のアプローチ】より
作者:井上郁夫(心理カウンセラー・学習スタジオクロスロード講師)
【入会やイベントに関するお問い合わせ】

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2014年11月18日火曜日

☆ 子どもは親とは違うんです ☆ @仲町台の個別指導


中学生の理科の学習に「生殖」という単元があります。

私が生徒にこの単元を指導していて、子育てについて考える

ところがあります。ちょっと理科の授業にお付き合いください。

生物が子孫を増やす生殖には、一般的に有性生殖と無性生殖の二種類があります。

有性生殖は、両親のDNA(遺伝子)を子どもが引き受ける生殖の方法です。


両親双方からDNAを受け入れるので、全く両親と同じ子どもにはなりません。

両親それぞれのDNAを持ちながら、両親のDNAが結び付いた

新たに個性的なDNAが誕生するわけです。
これに対して、進化していない生物の生殖方法として 無性生殖というものがあります。 これは、自分の体の一部が離れて子どもをつくる生殖方法で、 体の一部が分かれることから親と全く同じ子どもが誕生することになります。



もちろん、それぞれに一長一短はありますが、一般的に有性生殖が
子孫を残すということでは、有利だと言えます。




親とはちょっと違った子どもが生まれることで、

環境の変化に適応した子孫を残せるからです。




環境が全く変化しないのであれば、無性生殖の方が有利かもしれません。

しかし、みなさんがご存知なように、私たちの周りの環境は日々変化しているのです。

柔軟に子孫を残せるという点で、有性生殖が有利なのです。




いかがでしたでしょうか。

人間である私たちは、有性生殖を運命づけられて、

自然と親とは違う子どもをつくれるようになっているのです。




もちろん、私は子どもが生物学的にすべて決定するとは考えていません。

しかし、親の主観のみの子育ては、自然の摂理に反しているように感じるのです。




子どもが、親と同じような部分をもちながら、

親とは違う部分も持っているということは、

親とは違った可能性を持っているといえるのではないでしょうか。

大いに歓迎すべきことだと私は思います。
「お父さんの小学生の頃は、~。」 「お母さんの中学生頃は、・・・。」 と言って、子どもの行動を変えようとするのは、 進化させるというよりは、退化を招いているのかもしれません。



今日から、あらためてお子さんを観察し、

「自分(親)とは違うところだな!」と感じる部分があったら、

「あなたの〇〇は、お父さんやお母さんにない新しい可能性ね!楽しみだわ」と、

心の中で反芻し、そして、お子さんに何度も伝えてみて下さい。


お子さんの可能性にわくわくするに違いません。

お父さんやお母さんとは、また一味違う人生が送れる可能性です。

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2014年11月11日火曜日

☆ 「勉強しなさい!」の効果 ☆ @仲町台の個別指導


親:「勉強しなさい」


子:「だって、分からないんだもん」


親:「どれどれ、これはね・・・」



説明が終わったところで



親:「どう?わかった?」


子:「うん!わかった!」



親:「こうやってやれば、できるのよ頑張ってね!」


子:「うん」



このようなほのぼのとした会話は、

小学生の特に低学年の内に交わされる会話でしょうか。

ところが、小学生も高学年になったり、中学生になると・・・


親:「勉強しなさい!」


子:「わかっているよ!」


親:「何がわかっているのよ!全然わかってないじゃない!」


子:「うるさいな!親はいいよな~。子どもに『勉強しろ!勉強しろ!』


   言ってればいいんだから」



親:「何言ってんの!勉強はあなたの問題でしょ!親心で言っているのよ!」


子:「何が親心だ!まったく、うるさいんだから」

こんな会話が想像できます。


実は、ある調査によると、「親が子どもに勉強しなさい」という頻度は、

小学生の低学年から中学生までほとんど変わらないようなのです。



しかし、低学年では、親が勉強の手伝いをしているものの、
高学年になると親の支援は極端に減ってきます。



つまり、高学年の子どもには
「勉強しろ」と言っているだけという傾向があるようです。



ところが、「勉強しろ」と言われ続けた子どもと、

あまり言われなかった子どもの勉強時間をくらべても

ほとんど変わらないのだそうです。


親子関係を崩しながら効果の上がらないことをしているようです。


さらに、子どもに勉強する理由を聞いたところ、

「将来就きたい仕事に必要だから」という理由が高学年になるほどに顕著に現れるのです。

そこで、高学年の子どもたちには、「勉強しろ」という機会を減らして、

将来のことを意識させる会話の機会が有効であることが想像できます。


親:「あなたは、将来どんな仕事をしたいの?」

子:「よくわからないけど、プロ野球選手がいいな」



親:「いいわね。どうやったらプロ野球選手になれるのかな?」

子:「大学までズーッと野球をやって、ドラフトで選ばれたらいいな」



親:「大学まで行かなきゃいけないんだ」

子:「高卒でもなれるかもしれないけど、僕は大学までじっくりやってからプロになりたいな」



親:「それじゃあ。しっかり勉強しないといけないわね」

子:「うん」


親にとって、夢物語と思っても子どもの話を一旦受け入れてみて下さい。
そうすれば、子どもなりの勉強の意味を発見できるはずです。




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2014年11月4日火曜日

☆ きょうだい間の競合を避けるアプローチ ☆ @仲町台の個別指導


きょうだい(男女の区別なし)の場合。

特に3歳程度以内のきょうだい間であれば、

なおのこと、小さいころから競争がおきるものです。

親の目から見ると、きょうだい喧嘩という形で見えます。



そして、ほとんどの場合、きょうだいの争いの原因は、親の関心の争奪戦です。


小さい頃の子どもの関心は、身近にいる親の関心を

どれだけ引き寄せるかということです。

子どもにとって、親は自分の安全や幸せを保障する存在です。

ですから、子どもは果敢に親の関心を得ようとするのです。



そんな子どもたちにとって障害は、親にとって

仲良くあってほしきょうだいの存在なのです。


年齢の近いきょうだいは、互いに親の関心を引こうと(優位に立とうと)、

喧嘩を仕掛けるのです。


喧嘩に勝つことで親の関心を得る権利を獲得したり、

逆に負けることで親の同情を買うという形で関心を集めるなど、

様々な戦略があります(この戦略は子ども自身も無意識の中で行われていて

気づいていないことが一般的です)。


大抵の場合、上の子が親の関心を引くために使う戦略に対して、

下の子は経験不足で太刀打ちできないことを悟り、

上の子の弱みを自分の強みとして強化するという戦略にでます。

つまり、上の子とは違った方法で親の関心を得ることになります。



やがて、この行動スタイルは、一般化され、他人に対しても使うようになるのです。

きょうだいなのに性格が違うとよく言われるのは、

このようなプロセスによるものです。


例えば、上の子は、わが道を行くタイプで、人に媚びるようなところがなく、

下の子は、親分気質で人の世話を焼くタイプだったとします。



上の子は、先に生まれているだけで、特別なことをしなくても

自然と親の関心を得られる機会に恵まれていたので、

そのような態度を学んで身につけた可能性があります。



一方、下の子は、親に何かはたらきかけないと親からの注目が得られなかったと感じて、

他人に対して積極的なはたらきかけをすることを学んだのかもしれません。


この場合、下の子が、相手に配慮して、バランスの良いはたらきかけが

できている時は最高に良い子かもしれませんが、相手への配慮を忘れて

「積極的なはたらきかけをしなくては大変なことになる」と感じるようになると、

おせっかいというマイナスの行動になることもあります。


大切なことは、できるだけ、きょうだいを比較することを避け、

日頃から、それぞれの良い点にさりげなく関心を示すことです。


さらに、前述の例で、下の子の行動がおせっかいというように

バランスを欠いた行動だと感じるようになったら、

何かをしたから褒めたり承認したりするのではなく、

きょうだいそれぞれの存在自体を承認することなのです。


子どもそれぞれに、「あなたが、私の子どもで良かった」、

「あなたの存在が、私の幸せ」というメッセージを送ることです。

存在そのものが認められれば、きょうだいそれぞれ安心して外に向かって

行動できる勇気を得られるのです。



大切なことは、きょうだいを一つのくくりで見ないことです。

きょうだいであっても、異なる人格を持つ存在なのですから。


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