中学生に向って
母:「なんで、宿題をやらないの!?宿題をやらないのはダメよ!」
子:「わかっているよ。うるさいな」
母:「何がわかっているの!?いつも宿題やっていないじゃない!」
こんな親の発言はほとんど意味がありません。
小学校の高学年や中学生であれば、宿題をやらなければいけないことは、
誰でもわかっていることだからです。わかっているのに、言われれば、
子どもに「うるさい!」と言われて一蹴されるのは明らかです。
次に、こんなアプローチはいかがでしょうか
母:「宿題は、テレビやゲームをやる前に片づけちゃうのよ。
そうすれば、あとでゆっくり遊べるじゃない。
この間みたいに夜遅くになって慌ててやらなくて済むじゃない」
子:「うん」
このような発言は、宿題をやらなければいけないと思いながら、
遊びに夢中になり、結局時間が無くなって、
宿題ができないという場合には、適切です。
しかし、小学校の高学年や中学生になれば、
こんなことを知っている子どもが多いはずです。
知っている子には、効果のないアドバイスだと言えます。
「わかっているよ!」で終わってしまうかもしれません。
さあ、宿題をやらなきゃいけないこともわかっていて、
およそ宿題のやり方もわかっているのに、
それでも、まだ宿題をやらない小学校の高学年や中学生は何なんでしょう。
そうです。意図的にやっていない可能性があります。
例えば、宿題に一生懸命取り組んだとします。
ところが、ほとんどできません。
このまま、学校に行けば、自分だけできないことが先生や友達に評価され、
自分に『頭が悪い』というレッテルが貼られる可能性が高いと感じます。
「そんなこと、どうにも我慢がならない」と感じているとすれば、
訪れる可能性の高い不愉快な状況を避けたいと思うのは人情です。
そこで、端からやらないか、やったとしても、「忘れた」という事実に置き換えて、
忘れたことの仕打ち(先生から叱られる)を甘んじて受けようとするのです。
叱られることは、気持ちの良いものではないのですが、
このように考える子どもにとって、「頭が悪い」という
レッテルを貼られるよりは、遥かに気が楽なのです。
こんな状態の子どもには、前の「宿題をやらなければいけない」ことや、
「宿題のやり方」をアドバイスしたところで意味がないのです。
こんな場合は、「できる。できない。」の結果の前に、
まず、宿題をやろうとする姿勢を承認することです。
「宿題という自分の問題にきちんと向き合う姿勢が嬉しい!」
「できても、できなくても、宿題をやろうとするあなた態度を誇りに思うわ!」
というメッセージを伝えることです。
更に、学校の先生に質問することを勧めるといいでしょう。
この場合は、大抵の子どもは尻込みをします。
「質問する生徒に先生は喜んで教えてくれるものよ」と質問を促すことと、
「わからないことは、わかる人に聞く」という解決方法を実践することが、
どれほど立派なことであることかをIメッセージで伝えましょう。
また、可能なら、お母さん、お父さんがわからないところを教えて
あげると提案するのもよいでしょう。
ただし、ここでは教えるというよりは、
少しでもできるようになりたいという気持を承認し、
少しでも自信をつけることに注力します。
「できるようにさせよう!」、「全部説明しよう!」としないことです。
大抵、親が夢中になりすぎて、逆効果になりがちですから。
「なかなか、うちの子は言うことを聞かない」、「言っても、なかなか勉強しない」
という悩みをお聞きしますが、子どもの状態に合わせた対応をすることで、
かなり悩みは解消するはずです。
まずは、子どもが、どんな目的でやっているのか、やらないのか考えてみて下さい。
メールマガジン【子どものやる気を引き出す!親のアプローチ】より
作者:井上郁夫(心理カウンセラー・学習スタジオクロスロード講師)
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