中学生の理科の学習に「生殖」という単元があります。
私が生徒にこの単元を指導していて、子育てについて考える
ところがあります。ちょっと理科の授業にお付き合いください。
生物が子孫を増やす生殖には、一般的に有性生殖と無性生殖の二種類があります。
有性生殖は、両親のDNA(遺伝子)を子どもが引き受ける生殖の方法です。
両親双方からDNAを受け入れるので、全く両親と同じ子どもにはなりません。
両親それぞれのDNAを持ちながら、両親のDNAが結び付いた
新たに個性的なDNAが誕生するわけです。
これに対して、進化していない生物の生殖方法として
無性生殖というものがあります。
これは、自分の体の一部が離れて子どもをつくる生殖方法で、
体の一部が分かれることから親と全く同じ子どもが誕生することになります。
もちろん、それぞれに一長一短はありますが、一般的に有性生殖が
子孫を残すということでは、有利だと言えます。
親とはちょっと違った子どもが生まれることで、
環境の変化に適応した子孫を残せるからです。
環境が全く変化しないのであれば、無性生殖の方が有利かもしれません。
しかし、みなさんがご存知なように、私たちの周りの環境は日々変化しているのです。
柔軟に子孫を残せるという点で、有性生殖が有利なのです。
いかがでしたでしょうか。
人間である私たちは、有性生殖を運命づけられて、
自然と親とは違う子どもをつくれるようになっているのです。
もちろん、私は子どもが生物学的にすべて決定するとは考えていません。
しかし、親の主観のみの子育ては、自然の摂理に反しているように感じるのです。
子どもが、親と同じような部分をもちながら、
親とは違う部分も持っているということは、
親とは違った可能性を持っているといえるのではないでしょうか。
大いに歓迎すべきことだと私は思います。
「お父さんの小学生の頃は、~。」
「お母さんの中学生頃は、・・・。」
と言って、子どもの行動を変えようとするのは、
進化させるというよりは、退化を招いているのかもしれません。
今日から、あらためてお子さんを観察し、
「自分(親)とは違うところだな!」と感じる部分があったら、
「あなたの〇〇は、お父さんやお母さんにない新しい可能性ね!楽しみだわ」と、
心の中で反芻し、そして、お子さんに何度も伝えてみて下さい。
お子さんの可能性にわくわくするに違いません。
お父さんやお母さんとは、また一味違う人生が送れる可能性です。
メールマガジン【子どものやる気を引き出す!親のアプローチ】より
作者:井上郁夫(心理カウンセラー・学習スタジオクロスロード講師)
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