2期制の学校では、夏休みも残り1週間足らずでしょうか。
そろそろ、お子さん達は学校の宿題に追われている頃かもしれませんね。
子:「宿題終わらないよ~」
母:「だから、早くやりなさいって言ったでしょう!
全く毎年同じことの繰り返しなんだから、いつになったら懲りるのかしら・・・」
子:「もう、懲りたよ」
母:「その言葉も毎年聞いているわ。泣き言なんか言っていないでさっさとやっちゃいなさい!」
子:「でも、今からじゃあどうせ終わらないからやってもしょうがないよ」
母:「だから、早くやりなさいって言ったでしょう」
子:「もういいよ!」
お母さんは、子どもが自分で蒔いた種だから自分で責任を取らせようとしているのかもしれません。
しかし、もしそうだとしても、このような対応をすると子どもが責任を取れるようになるでしょうか?
こんな時、「子どもは何を学ぶだろうか?」と考えてみましょう。
いくら自分の蒔いた種だとしても(子どもは、そのことすら気づいていないかもしれませんが)、
「自分が困っていても、お母さんは何も助けてくれない!」と学ぶかもしれません。
そして、さらに一般化して、
「お母さんは、いつも自分を助けてくれない」
「お母さんは自分に関心がない」
「自分は、関心を向けられないような価値のない人間である」
となるかもしれません。
ちょっと考えすぎかもしれませんが、
こうやって、人のセルフ・エスティーム(自己重要感:自分が自分以外の人から重要な存在だと思ってくれているという感覚)
が低下するのかもしれません。
そこで・・・
子:「宿題終わらないよ~」
母:「だから、早くやりなさいって言ったでしょう!全く毎年同じことの繰り返しでやんなっちゃうわ」
子:「そうなんだけれど・・・」
母:「お母さんにどうしてほしいの?」
子:「できれば、宿題やってもらいたいけど、それはできないことはわかっているから、
せめて、どうしたらいいか相談に乗ってほしいんだ」
母:「相談に乗るくらいならいいわよ」
子:「ありがとうございます。すごく助かる・・・」
母:「全く調子がいいんだから!それで、宿題は何が残っているの?」
ここで大切なことは、とりあえず相談に乗ってあげることでしょう。
そして、一緒に、残りの宿題の棚卸しをして、
「何をどうすればできそうか」
「いつまでに何をするか」
「どうしても残ってしまった時にどうするのか」
一緒に考えてあげてみてください。
子どもとしては、どうにもならない状況にあるのですから、
少しでも先が見えれば、少しは宿題の取り組む気持ちが湧いてくるはずです。
ただし、決して感情的にならず、冷静に対応することは心掛けて下さい。
そして、何より苦しい時にお母さんが助けてくれることにホッとすると共に、感謝の気持ちも湧いてくるかもしれません。
さらに、自分が蒔いた種であることに気づくのは、この感謝の気持ちが湧いてくるころではないでしょうか。
もちろん、残りの宿題の量によっては、到底満足いくようにはならないかもしれませんが、
ただ、子どもの相談に乗ることで、
親子の人間関係を壊さないこと、そして、セルフ・エスティームを低下させることなく、
場合によっては高めることも実現できるのです。
終わりよければすべてよしです。ご家族にとって素敵な夏休みを!
メールマガジン【子どものやる気を引き出す!親のアプローチ】より
作者:井上郁夫(心理カウンセラー・学習スタジオクロスロード講師)
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