先日、ある町のPTAで子育てに関する講演の講師に招かれました。
アンケートの中で、現在の子育てに関する悩みについて多く記入されたのが、
「自分の部屋にテレビがあるので、ズーとテレビを見ていて困る」、
「スマホやタブレットに夢中で困る」、「ゲームばかりやって困る」と言ったものでした。
既に買い与えてしまった以上、買わなければ良かったと悔やんでみても
仕方がありません。そこで、どうしたら良いのか考えてみましょう。
まず、子どもが、ゲームなどを終えて時を見計らってから、
話し合いに持ち込むのがいいでしょう。
母:「あなたは、ゲームをやっている時間が長すぎると思うのよ」
子:「そんなに、長くはやっていないけれど・・・」
母:「そうかしら、毎回2時間ぐらいゲームやっているけど、
勉強をやる時間は30分もないと思うけど・・・」
子:「それくらい普通だよ」
母:「あなた達の間では、普通かもしれないけど、お母さんとしては、
ゲームをやり過ぎだと思うのよ。せめて、ゲームの時間と同じくらいは、
勉強してほしいんだけれど・・・」
子:「だって、ゲームは面白いけど、勉強は全然おもしろくないもん」
母:「確かに、勉強はゲームほど面白くないかもしれないけれど、
あなたは勉強するのが仕事みたいなものでしょ。
勉強をしっかりやって、気晴らしにゲームをするのはお母さんもわかるけど、
ゲームの合間に勉強はいただけないわ。
これから、勉強の時間とゲームの時間をお母さんと決めましょう。」
子:「どうせゲームの時間をなくすんでしょ」
母:「ゲームの時間と同じくらい勉強するなら減らさなくてもいいわ」
子:「本当!?」
母:「宿題を丁寧にやって、漢字や計算の練習をちゃんとやればね」
子:「わかったよ。ちゃんとやるよ」
母:「宿題や勉強が終わったら、何をやったかお母さんに見せてOK
だったら、ゲームをやっていいわ」
子:「お母さんのOKがでなかったら・・・?」
母:「その時は、OKが出るまでゲームはお預けよ」
子:「それは、ずるいよ!だって、いつまでも勉強させるためにOK
ださないかもしれないじゃん」
母:「お母さん。嫌がらせをするつもりはないわ。
やる時はしっかりやって、それが終わったら、存分にゲームを楽しんで欲しいわ」
子:「本当!?」
母:「本当よ!ただし、約束したからには、あなたが約束を破ったら、
ゲームは、二度とできなくなるわよ」
子:「わかったよ」
このように、子どもの気持ちに共感しながら、
Iメッセージ(お母さんは~と思う、感じるという言い方)で、
冷静に会話をして、子どもと約束をしましょう。
そして、もし、子どもが約束を破る様な事があれば、
「残念ね!」とだけ言って、普通の表情(否定的な感情のこもった顔をしない)で、
ゲームを片付けてしまいましょう。
子どもが何と言い訳をしても、われ関せずの態度で接することです。
ゲームをしている子どもに、注意をする。
子どもは、親の言うことをきかない。
その結果、言い争いをして、子どもがゲームを続けている
ということを繰り返す図式は、
意識している、いないにかかわらず、
親子が互いに悪ふざけをしているようなもので、
いつも同じような気まずい雰囲気で終わるはずです。
この悪ふざけを断ち切らないかぎり、結果は変わりません。
もし、困った子どもの行動を見て、親が気持ちの中で、
「仕方がないわね」という言葉がわくようであれば、
その場は何も言わずにやらせておくことも一つの手です。
さもないと、親子の悪ふざけに突入してしまう恐れがあるからです。
子どもに、注意をする前に、
「本当に行動を変えさせたいのか、
親としての立場を守りたいだけなのか」
問うてみるのも大切です。
メールマガジン【子どものやる気を引き出す!親のアプローチ】より
作者:井上郁夫(心理カウンセラー・学習スタジオクロスロード講師)
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